2011年08月30日
ちっちの物語その26~旭山動物園
無情の宣告を受けた日が金曜日で、その翌日からは学校は3連休でした。
体内の異変に気づくこともなく、ちっちは元気で体力も日に日に回復傾向にありました。医師からも後に、もしCTをこの段階で撮っていなければ、再発したことは決してわからなかっただろうと言われるぐらい、見た目には本当に元気になっていたのです。
そこでこの日曜日には、久しぶりに旭山動物園にちっちを連れて行く約束をしていました。旭川まで高速を使えば片道2時間余り、以前もよく子供たちを連れて日帰りした距離です。
ところが、高校受験を控えたちっちの姉が「私は行かない」と言い出し一悶着ありました。家で勉強していたいという気持ちもわからなくはないのですが、冬も近づいてくる中で、この先ちっちと4人で出かけられることが次にいつあるかわからないと思ったので、私たちはどうしても一緒に行ってほしかったのですが、彼女はあくまでも家にいると言って拒否しました。
子供たちに再発のことは隠すと決めたので、本当の理由を話すわけにもいかず、私たちは結局4人で出かけることを断念し、ちっちだけを連れて3人で旭川を目指しました。いつもならば遠出する時にはワゴン車3列シートの2列目をフルフラットにして、3列目から足を伸ばして仲良く遊んでいる2人がいるのですが、その日はちっち1人でも久々のドライブが嬉しそうでした。
旭山動物園はちっちが入院する半年前、2008年の秋以来(この記事とこの記事)2年ぶりでした。天気はくもりでしたが、過ごしやすい気温で、ちっちにとっては歩き回ってもあまり体力を消耗しなくて済むよい天気でした。
坂を上りきった東門の駐車場にクルマを停めて、高台側から動物園に入ります。
前回はがっかりしたチンパンジーの森ですが、今回は小猿がガラスのすぐそばまで来てはしゃぎまわってくれたので、とても楽しく過ごせました。それだけではなく、オオカミの森でもぺんぎん館でもあざらし館でも、不思議と動物たちが私たちのほうに寄ってきてくれるのです。旭山動物園は5回目になるのですが、これまでの中で一番、いろんな動物を間近で見た気がしました。極め付きはほっきょくぐま館で、ちっちの前であの大きなほっきょくぐまが、何度も何度もダイブをして目の前にやってきてはまた上に上がっていく、という迫力満点の動きを、ちっちの前で何度も何度もしてくれたのです。ちっちはそれを飽きることもなくずっとうれしそうに眺めていました。
動物たちがちっちに寄ってきてくれるのは、これまでつらい治療を頑張って乗り越えてきたちっちへのご褒美だよ、とあの宣告を聞いてさえいなければ単純に思うことができたでしょう。でも、ひょっとしてお別れのために寄ってきてくれているのでは、なんてことが頭をよぎってしまうぐらい、私は大きなショックを受けていました。
軽くお昼を食べて、もうじゅう館やさる山などを見たりした後で、あまり疲れないうちにと少し早めに帰路につきました。
帰りの高速で、満足そうに、うとうと眠っているちっちの姿をミラー越しに見ていると、いろんな思いが交錯して胸が張り裂けそうでした。
ちっちと遠出をしたのは、この2週間後の10月24日、ちっちの大好きなニセコの蕎麦屋「いちむら」まで行ったのが最後になりました。
その時も美味しそうに蕎麦を食べ、帰りには中山峠のあげいもも美味しそうに頬張っていました。
体内の異変に気づくこともなく、ちっちは元気で体力も日に日に回復傾向にありました。医師からも後に、もしCTをこの段階で撮っていなければ、再発したことは決してわからなかっただろうと言われるぐらい、見た目には本当に元気になっていたのです。
そこでこの日曜日には、久しぶりに旭山動物園にちっちを連れて行く約束をしていました。旭川まで高速を使えば片道2時間余り、以前もよく子供たちを連れて日帰りした距離です。
ところが、高校受験を控えたちっちの姉が「私は行かない」と言い出し一悶着ありました。家で勉強していたいという気持ちもわからなくはないのですが、冬も近づいてくる中で、この先ちっちと4人で出かけられることが次にいつあるかわからないと思ったので、私たちはどうしても一緒に行ってほしかったのですが、彼女はあくまでも家にいると言って拒否しました。
子供たちに再発のことは隠すと決めたので、本当の理由を話すわけにもいかず、私たちは結局4人で出かけることを断念し、ちっちだけを連れて3人で旭川を目指しました。いつもならば遠出する時にはワゴン車3列シートの2列目をフルフラットにして、3列目から足を伸ばして仲良く遊んでいる2人がいるのですが、その日はちっち1人でも久々のドライブが嬉しそうでした。
旭山動物園はちっちが入院する半年前、2008年の秋以来(この記事とこの記事)2年ぶりでした。天気はくもりでしたが、過ごしやすい気温で、ちっちにとっては歩き回ってもあまり体力を消耗しなくて済むよい天気でした。
坂を上りきった東門の駐車場にクルマを停めて、高台側から動物園に入ります。
前回はがっかりしたチンパンジーの森ですが、今回は小猿がガラスのすぐそばまで来てはしゃぎまわってくれたので、とても楽しく過ごせました。それだけではなく、オオカミの森でもぺんぎん館でもあざらし館でも、不思議と動物たちが私たちのほうに寄ってきてくれるのです。旭山動物園は5回目になるのですが、これまでの中で一番、いろんな動物を間近で見た気がしました。極め付きはほっきょくぐま館で、ちっちの前であの大きなほっきょくぐまが、何度も何度もダイブをして目の前にやってきてはまた上に上がっていく、という迫力満点の動きを、ちっちの前で何度も何度もしてくれたのです。ちっちはそれを飽きることもなくずっとうれしそうに眺めていました。
動物たちがちっちに寄ってきてくれるのは、これまでつらい治療を頑張って乗り越えてきたちっちへのご褒美だよ、とあの宣告を聞いてさえいなければ単純に思うことができたでしょう。でも、ひょっとしてお別れのために寄ってきてくれているのでは、なんてことが頭をよぎってしまうぐらい、私は大きなショックを受けていました。
軽くお昼を食べて、もうじゅう館やさる山などを見たりした後で、あまり疲れないうちにと少し早めに帰路につきました。
帰りの高速で、満足そうに、うとうと眠っているちっちの姿をミラー越しに見ていると、いろんな思いが交錯して胸が張り裂けそうでした。
ちっちと遠出をしたのは、この2週間後の10月24日、ちっちの大好きなニセコの蕎麦屋「いちむら」まで行ったのが最後になりました。
その時も美味しそうに蕎麦を食べ、帰りには中山峠のあげいもも美味しそうに頬張っていました。
ちっちの物語その55(最終回)~区切り
ちっちの物語その54~輝く雪
ちっちの物語その53~ちっちはこの小学校のこの学年を選んだ
ちっちの物語その52~紫色の袴
ちっちの物語その51~悲しい知らせ
ちっちの物語その50~帰宅
ちっちの物語その54~輝く雪
ちっちの物語その53~ちっちはこの小学校のこの学年を選んだ
ちっちの物語その52~紫色の袴
ちっちの物語その51~悲しい知らせ
ちっちの物語その50~帰宅
Posted by ジアス at 22:25│Comments(0)
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