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<<マスターのプロフィール>>

・ネットの世界ではジアスと名乗っています。
・生まれは関西。東京から札幌に移住し、東京単身赴任を経て札幌に舞い戻った40代の勤め人
・札幌の自宅に嫁さんと娘がふたり
・趣味は酒、読書、映画、旅。特に英語の本を原書で読むのが楽しみ。

<<このサイトは>>

 私が読んだ本、観た映画の個人的な感想を中心に、仕事や日々の生活で思ったことなどをつぶやくこともあるブログです。仕事から帰って、ゆっくりグラスを傾けながら書き込むつもりですので、お読みになるみなさんもぜひ一緒に飲んでいるような気持ちで、ゆったりとお話できれば幸いです。

<<このBARの名前について>>

 "Clock in a forest"は、「森の時計」という喫茶店の名前から拝借しています。「森の時計」は、2005年1月〜3月に、フジテレビ系で放映された倉本聰氏脚本のドラマ 「優しい時間」 の舞台となった喫茶店の名前です。その店には「森の時計はゆっくり時を刻む」という倉本氏自筆の額が飾られていました。
 今のビジネスや社会は、「時間」をどんどん速く刻むことが競争に勝つための必須条件であると思えるかのような、非常に息苦しい状態になっていると思います。そんな中で生活するみなさんが、ほっと一息つけるような、そんなサイトになるといいな、というのがマスターのささやかな願いです。
 ちなみに、喫茶店「森の時計」は、ロケに使われた状態のまま、新富良野プリンスホテルの敷地内で営業しています。
























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Posted by さぽろぐ運営事務局 at

2009年03月09日

泣きました

 久々に本の紹介なんかしちゃいますが(^^;;

 嫁さんに勧められて持たされていながらなかなか読めなかったこの本を、2日間で読みきりました。
 東野圭吾の本は昨年ドラマになった「流星の絆」に続いて2冊目(これも嫁さんからだった)だったのですが、流星の絆も良かったけれどこの本はもっと良かったです。

 もう10年前の作品で、広末涼子主演で映画化もされていますが、映画も見た嫁さん談でも「映画より原作のほうが良かった」とのこと。私も終盤は妻の直子の立場に感情移入してしまい(ダンナではなく(笑))、思わず涙してしまいました。
 横浜の山下公園は実は私たち夫婦にとっても思い出の場所です。ユーミンの「翳りゆく部屋」なんか聞いたらそれだけで涙が出そうですが(^^;;)

   

Posted by ジアス at 01:16Comments(0)和書/フィクション

2008年12月03日

ウミガメのスープ~水平思考推理ゲーム

 「Lateral Thinking Puzzles」ってご存知ですか?「水平思考推理ゲーム」という直訳よりも、「ウミガメのスープ」と言ったほうがピンと来る方がいらっしゃるかも知れません。実はこれが今、わが家では流行っています。

 原題"Challenging Lateral Thinking Puzzles"が、「ポール・スローンのウミガメのスープ」というタイトルで訳されたのが2004年だそうですが、私がこの邦訳を買ってきて娘たちに出題したところ大ウケ、それぞれが学校で友達に話したら盛り上がってしまって、「続編が欲しい!」というリクエストを受けて邦訳が出ている全4冊買い揃えてしまいました。上の娘が通う中学の数学の先生は、娘が出した問題に「週末ゆっくり考えるから3日間待ってくれ」と言ったそうな。

 問題は常識では理不尽なことが出題され、その理由はなぜ? というようなことを答える形式が多いのですが、例えばその問題はある重要な前提条件が隠されていたり、ある特定の条件では成立する内容だったりするのです。それをいかに見抜くかがポイントです。

 新しい状況や未知の問題に取り組むときに、固定観念を取り払って違う側面から考えてみたりすることは最近のビジネスの現場では重要ですし、これから次世代を担う子供たちにも、学校や受験で与えられる正解より、正解のない問題の解決の糸口をいかに見つけるかが求められているような気がします。でも、人間なかなかそれができません。一人で考え込んでもなかなかいいアイデアが浮かばないように、このゲームも、本を読みながら一人で考え込むより、3人~8人ぐらいでみんなでわいわい言いながら考えた方が楽しいです。

 今日も、早くも雪景色になった札幌で、郊外の温泉まで1時間余りの道のりを、家族4人でこのゲームで楽しく過ごすことができました。よほどのストーリーテラーでなければ解けないような難しい問題から、ちょっと視点を変えれば簡単に解けるのに一人だけ先入観に凝り固まって解けなくて、答えを明かされると悔しくて「今度は別の知らない誰かに出題してやろう」と思ってしまう問題まで、難易度のバラエティーにも富んでいるのでオススメです。

 日本語で読むのも楽しいですが、多読をされている皆さんは、あえて英語で読んでみるのもいいかも知れません。amazonでも邦訳よりも原書の方が安いようですし。でも、それを日本語で考えずに英語で考えられたらすごいですが、それはなかなかハードルが高いです.....。

#今日の記事は私がコラムを書いている「SSS英語多読研究会」のメルマガ「SSS多読通信227号」に掲載したものです。今日は仕事で気を遣いまくって抜け殻状態なので、そちらの読者の方にはすみませんがご勘弁を。

 以下amazonへのリンクです。

 ポール・スローンのウミガメのスープ―水平思考推理ゲーム
 ポール・スローンの腕を送る男 (ウミガメのスープ (2))
 ポール・スローンの札束を焼く強盗(ウミガメのスープ (3))
 ポール・スローンのウミガメのスープ〈4〉借金をふみ倒せ
 Challenging Lateral Thinking Puzzles(原書・英語です)




  

Posted by ジアス at 22:46Comments(0)和書/フィクション

2008年07月23日

「木村剛の親子で学ぶおカネの話」

 「おカネってなに?」ってこどもに聞かれて答えられますか?

 でも、お金って今の世の中を生きていく中でとても大切なもの。目的になるのは疑問ですが、手段としてのお金とのつきあい方って、正しく知っておかないと幸せになれないどころか、思わぬ不幸を引き寄せたりしかねないと思います。
 考えてみれば、自分が子供の頃から、学校でお金について教育を受けた覚えはないので、それぞれの家庭で親から学ぶか、社会に出てから自分で試行錯誤しながらお金とのつきあい方を覚えるしかないんですよね。
 これって、実は不幸なことだと思いませんか?

 木村剛さんのことは、「投資戦略の発想法」という本と出会って以来、信頼できる人だと思っていましたが、彼が子供向けにこんな本を出していました。本屋でぱらぱらとめくってみて面白そうだったので買って読んでみましたが、
オススメです。

 ダイキくんという男の子がトラスという不思議な動物と一緒に不思議な冒険をする、というお話がイラストいっぱいの読みやすい物語で展開していきますが、その冒険先が、「骨がおカネの村」「大きな石がお金の島」「ひがしのかなたにある「おカネがない国」」「にしのかなたにある「にせさついっぱいの国」」だったりして、そんな国々をめぐるうちにお金の大切さと仕組みを知ることができる仕掛けになっています。

 おカネって、一言で言うと「信頼」なんですけど、じゃあ、なんで信頼なんだと思いますか?

 それが答えられない人は、さっそく読んでみましょう!意外におとなも知っているようで知らないことが多くて、案外面白いと思いますよ!

「木村剛の親子で学ぶおカネの話」の情報をamazonで参照する
  

Posted by ジアス at 22:58Comments(2)和書/フィクション

2008年07月16日

「DEATH NOTE」~神の領域と人の領域

 先週からはまっているのが「DEATH NOTE」です。

 いまさら、と言われればそれまでなのですが(^^;;、なぜか先々週の週末にうちの嫁さんが突然全巻大人買いして(爆)、その週末はテレビもつけずに親娘3人で争うように最後まで読んだらしく、「パパもきっとはまるよ(^^)」と予告されていました。

 で、先週末に札幌に帰ったときに読み始めたのですが、あっという間に引きずり込まれてしまいました。
 いまさらストーリーの解説はしませんが、単純に言えば、そのノートに名前を書き込むと書き込んだ人が死ぬという死神のノート「DEATH NOTE」を軸に、大きく分けてLと夜神月(ライト)の対決になる前半と、ニア・メロと月の対決になる後半に分かれます。背景を極力排してテンポ重視のストーリーと、相手の裏の裏の裏まで読みあう心理戦は、アガサ・クリスティの推理小説を読んでいるかのようなドキドキ感で最後まで一気にいってしまいました。

 物語は12巻、108話で完結し、13日の金曜日に発売された13巻が全体の解説本になっているという構成です。緻密なトリックで構成された本編を読み切った後で13巻の解説本を読むと見逃していた発見もあったりして、すっかり楽しませてもらいました。
 ジャンプ連載中からいろいろネットでも深読みする人たちの議論が沸騰したようですが、13巻の作者の話などを読むと、そこまで意図してなかったようで、それでも議論を呼び起こすぐらい深いテーマだったというのは私も理解しました。読み進めるうちにいろいろ考えることはあったのですが、作者の意図にしたがってここではあまり触れないことにしましょう(笑)。例えば、神の領域と人の領域、死刑廃止の議論の中心になる「人は人を裁けるのか?」というテーマだけでも、止まらなくなりそうです(苦笑)。でも、強烈なインパクトがあったので、そのうち何か語るかも知れません。

 それにしても、「D.Gray-Man」にしても「DEATH NOTE」にしても、自分では絶対に手に取らないタイプの作品ですが、娘たちが夢中になっていると「どれどれ。」と思ってはまってしまうのですよね。
 思い返してみると、英語の多読が絶好調の時も、掲示板やオフ会で他の人が「面白かった!」と勧めている本を買い集めて読んだりしていましたね。そういう意味では、読書って自分と違う好みを持つ人と情報交換した方がきっと幅が広がって楽しいんですね。
 読書の本当の楽しみって、実は1人よりもおおぜいの方がより深い楽しみを見つけられるのかも知れませんね。
  

Posted by ジアス at 23:59Comments(4)和書/フィクション

2008年06月26日

「D.Gray-man」~娘たち熱中してます

 最近うちの娘たちが大はまりしているのがこの作品です。
 上の娘が最初に熱中してコミックを買い集めたのが妹にも伝染し、いまは連載を追うために「少年ジャンプ」の最新号が毎週積み重なっている状態です(^^;; うちに息子はいないぞ(笑)。

 そこまで熱中するのはどんだけ面白いのか、と思って春先から何度か家に帰るたびに少し読んでみようとしたのですが、独特の世界観にすっと入っていけずに2度ほど1巻の途中で投げ出していました。
 でも、先月3度目に読んでみたところ、なぜか読み通すことができ、そのまま14巻まで一気読み。先週帰ったときに最新の15巻が転がっていたので続きを読みました。でも、15巻の最初はそれまでのストーリーとつながらず、結局14巻からもう一度読み直しましたが(^^;;

 ストーリーはまあおいといて、最近の流行の例にもれず、登場人物のキャラが立っています。最初は頼りなかった主人公のアレン・ウォーカーの成長物語のように読めますが、娘たちの会話がキャラを立てての会話なので、「Dグレのキャラで誰が一番好き?」と聞いてみたら、上の娘は「神田ユウ」、下の娘は「リナリー」という返事が返ってきました。娘たちの性格の違いをよく知っているので、この返事はわかるなぁ。
 「パパは誰が好き?」と聞き返されたので、「アレンが好きだけど、一番は地味にリーバー・ウェンハムかなぁ。リナリーかわいいけど髪が長い頃のほうが好きだった。」と答えておきました。でも、けっこう神田やラビやクロス元帥も好きです。娘たちは知らないけれど、私は会社では「室長」と呼ばれているのだぞ(爆)。でも、そのわがままな室長の下にいるリーバーかっこいいぞ。特にこの15巻のはじめのほうは!

 おとなの立場で言うと、まあ、ハマる人はハマるけど、閉じた世界の物語なので(私たちの世代なら「宇宙戦艦ヤマト」の世界だと例えましょう)、この世界観に入れるか入れないかで好みが分かれると思います。でも、私もそれなりにDグレ楽しめるようになっちゃったので、娘たちの後を追いながらストーリー追おうとは思っています(^^)
  

Posted by ジアス at 23:03Comments(0)和書/フィクション

2008年06月01日

「ハガネの女」~この親にしてこの子あり

 おそらく、このBARでコミックの紹介をするのは初めてかなぁ。
 先週、うちの嫁さんが何度も読み返していたのがこの本です。

 細かい事情は省きますが、最近、うちの娘が被害者になって病院に検査に行くというような事件があり、その背景は単純に相手を責めれば解決するという問題ではなさそうなのが見えていたので、けっこう嫁さんも娘も神経をすり減らす日々を過ごしていたのです。
 先週、たまたま私が日曜日に朝日新聞の書評に載っていたこのマンガのことを話したら、その日に私を駅まで送り届けたあとすぐに入手して何度も何度も読んだようです。「登場してくるいろんな親や子の視点から、立場を変えながら読むとすごい考えさせられるよ」というのが彼女の感想でした。
 今週末も札幌に帰れたので、帰って早速読みましたが、決して誇張していない、いまどき隣にいても全く不思議ではない困った親子が登場したり、さらにそれが複雑に、そして陰湿に絡むエピソードが現れたりします。で、必ずその子供の親や家庭環境が必ず影響しています。現実に、よその家の親子を見てもそう思いますし。

 「この親にしてこの子あり」とはよく言いますが、最近は常識を踏み越えたモンスターペアレントもいますしね。でも、そういう人たちは自分の主張が間違っていると思っていないのが一番性質が悪いところです。自分が絶対に正しいと思い込み、人の話を聞かない困った人に限って、けっこう金とか権力を持っていたりするとなおさら始末に悪いような気がします。
 この本の中にも出てきますけど、弱いやつを踏みつけても仕返しされる可能性がない、というのは学校の親子関係だけでなく、仕事の現場でもこんな話にはしょっちゅう出会っているような気がします(悲)。

 さっきから、ミスチルの「HOME」のライブDVD流しながら書いていますけど、ちょうど「タガタメ」が流れてきて、涙が出そうになります。こんな時代に、親が子にしてあげられることって何でしょうね?
 結局は自分で判断できる力をつけてあげることだと思うけど、そこまではきっと長い道のり。今、学校で娘がつらい思いをしているとしたら、守ってあげられるのは私たち親だけなんですけどね。でも、自分の子供を守るために他人の子供や学校を責めればいい、ということにはならないはずなんですが、そこを勘違いしている人も多い気がするんです。

 戦うことは大事だけれど、時には逃げることも、うずくまって嵐が通り過ぎるのを待つことも必要かもね。

 それにしても、昨日の運動会は強風で運動場の砂が巻き上げられるというコンディションの中で大変でした。うずくまって砂嵐が通り過ぎるのを待っていたら午後からはぐっと寒くなるし(TT)
 その夜に予定していた、娘の同級生の家族と恒例のバーベキューも中止して家の中で飲んだのですけど、夫婦仲がよいと子供との信頼関係ができている、ということを改めて確認できて救われた気持ちになりました。

「ハガネの女」 1巻の情報をamazonで参照する
   

Posted by ジアス at 15:17Comments(0)和書/フィクション

2008年05月23日

「夜のピクニック」~懐かしく爽やかな24時間

 以前から気になっていた本だったのですが、文庫になっていたので買って読みました。読後感は、めっちゃ爽やかでいつまでもこの世界に浸っていたい、と思わせるぐらい素敵な本でした。といってもこの話はある高校で全校生徒が夜を徹して80キロを歩き通すという過酷な行事の話で、きっと一昼夜歩き続けていると、「早くこんな行事終わってくれ~」と思うような日だと思います。

 でも、この話の中に登場する人物がどれも魅力あふれる素敵なキャラですね。貴子と融の話を軸に、忍と美和子、そしてアメリカに行ってしまった杏奈とその弟。貴子が秘かに胸に秘めた賭けの行方。ゴールを目指して歩き続けるだけのある意味単調な行事なのですが、そういう時に話した友達との会話が一生の宝物になるぐらい大事なことだったりする、ということを懐かしく思い出すことができます。
 貴子と融ほどのびっくりするような話でないにせよ、高校時代の恋が実ったかどうかなんて、あとから思うと、ほんのちょっとした些細なことに左右されて一喜一憂していた自分が情けないような、羨ましいような、すごくあったかい気持ちになりました。

 恩田陸の出世作と言われる評判高い本ですが、読んでみてやっぱりオススメです。少し前に「ネバーランド」も読んで、面白かったけれど、それ以上にいいです、この本!

「夜のピクニック」 の情報をamazonで参照する





  

Posted by ジアス at 23:32Comments(0)和書/フィクション

2008年03月06日

「バッテリーⅥ」~今、自分が立っている場所から何ができるか

 「バッテリー」全6巻最後まで読み切りました。

 やはり期待に違わず面白かったです。
 こいつら本当にみんな中学生か?と思うぐらい、それぞれの立場を深く考えて、それぞれの想いを野球にぶつけていきます。

 孤高のエース原田巧と、バッテリーを組む永倉豪が、ぶつかりあい、悩みながらも成長し信頼関係を築いていく話が軸なのですが、その周囲のキャラクターも細かく描かれていて、いろんな立場から彼らを、チームを、そして野球を見ると本当にいろいろな風景が見えて楽しいです。
 沢口、東谷、吉貞、海音寺、野々村、門脇、瑞垣、そして巧の弟の青波、祖父の洋三、監督の戸村、どのキャラクターも立っています。
 物語は、きっとこれから。

 巧も少し成長したと思います。でも、まだまだ人生も始まったばかり、これからいろんな経験をしていい方にも悪い方にも転がりかねない、でもそんな脆さも含めて、一生懸命になれることって、美しいですね。
 ああ、なんて感傷的なつまんない感想なんだろう(^^;; 世の中この先甘くねえよ!とおじさんは言いたくなってしまうのですが、私にとって中学時代は自分の中ではあまり思い出したくない時代なので、ひがんでいるのかも知れません(爆)。

 少なくとも自分の子供たちには、中学生活が小学生時代よりもっと良かったと思えるようになるといいな。
 「今、自分が立っている場所から、何ができるか」ということを意識して毎日を過ごさなくちゃね。

バッテリー 6巻のamazonへのリンク
  

Posted by ジアス at 23:59Comments(0)和書/フィクション

2008年03月01日

「バッテリー」~私の中の原田巧

 今週末も札幌で過ごしています。
 昨日は春を思わせるような陽気で、雪もかなり溶けましたが、今日は一転してまた冬の風景に戻って雪が舞っています。

 いま、「バッテリー」全6巻をおとな買いして読んでいます。
そもそものきっかけは、3週間前に札幌に帰った時に見た「バッテリー」の映画でした。軽い気持ちで見ていたのに意外に自分のストライクゾーンに入りました。
 このシリーズは以前から気になってはいましたが、娘たちはあんまり野球に興味がないのであまり勧めなかったのですけど、映画を見終わったときには「これは原作読まねば!」と思いましたね(笑)。

 今回札幌に帰ってくる前日に全巻買い込んで、今まだ3巻の途中なのですが、やはり面白い。特に、自分の力を信じて疑わない孤高のピッチャー原田巧に惹きつけられます。
 なぜなのか考えていましたが、その理由はここまで極端でないにしろ、私の性格も基本的に彼のような考え方が根っこにあるからだと思い至りました。

 髪を切ったからといって野球が上手くなるわけではないと言って髪を切るのを拒否し、部活にありがちな先生や先輩が理不尽に押さえつけようとする態度には簡単には折れません。ただ、納得をすれば努力はきちんとやります。親にも決して甘えず、黙々と努力をして大事なことは自分の信じることに従って全部事後承諾で認めさせてきました。

 私の過去を思い返してみると、大学受験のときは「すべり止めの大学に行くつもりはないからすべったら浪人する」と言って2校しか受けず、就職する時は面接の想定問答集など目もくれず「自分を繕った姿を見せて採用されてもそのあと不幸になる。一生勤めるかどうかもわからない最初の社会勉強なのだから、こんな奴でも採用してもいいという会社にしか行かない」という態度を貫き通してそれでも通った2社のうちの1社を選び、就職してからは会話に中身のある相手としか決して飲みに行かないし、デートの時は最初は自分で勘定を払いながら相手の反応を見ていて、当たり前のように財布を出さない女性には「経済観念のない女と結婚することはないし、ならば金と時間の無駄」と2度と誘わない、なんていうのが10代後半から20代前半の私でしたね。
 就職して3年間は上司とはぶつかりまくり、3年後には勝手に別の就職先を決めて突然辞表を出す、なんてこともやってます。その後当時の人事部長に慰留されて全く別の部署に異動してから、仕事の面では現在につながっていくのですが。

 そういう意味では、私のこの性格が変わり始めたのは20代の後半です。仕事では異動先の上司の影響がありますし、「こういうわがままな性格だから30過ぎないと結婚しないと思う」と吹聴していた私が今の嫁さんと出会って26歳で結婚するというのも想定外の出来事でした。でも、今の嫁さんとは短期間のうちに惹かれるものがあったので、この段階で出会えたのが幸せだったと思います。今のご時世、この性格だと下手したら今でも独身だったとしても不思議じゃないですし。

 社会人になり、結婚し、子供を育てるという、他人から見ても月並みな責任を果たしていく中で、このような自分の性格をオブラートにくるんで使い分けることを覚えてきましたし、私のことを昔から知る人はかなり性格が円くなったと言ってくれます。きっと、昔の私は巧のようにもっとストレートに自分の気持ちが態度に出ていたのでしょう。
 「おとな」になるということは、そのような気持ちをうまく適応させる技術であって、決してその気持ちを死ぬまで忘れてはいけないと思います。
 そんな私の中の「巧」は、きっとこれからもこのBARでは時々現れるでしょうね。

 というわけで、巧がどう「成長」するのかをわくわくしながら今読み続けています。巧を取り巻く豪やチームの仲間もいいですが、やはり私は巧から目が離せないですね。

バッテリー 1巻の情報をamazonで参照する
  

Posted by ジアス at 11:44Comments(0)和書/フィクション

2008年02月27日

希望の国のエクソダス~「この国には何でもある。だが....」

 大荒れの北海道から戻る間に、夢中になって読んでいたのはこの本です。

 この小説が文藝春秋で連載されはじめたのがもう10年前、ちょうど今年2008年までを描いた近未来フィクションなのですが、今読んでも背筋が寒くなるぐらいの興奮を覚えて、新千歳空港の大混乱も全然気にならないぐらい夢中で読んでいました。

 エクソダスって聞き慣れない言葉ですが、英語でexodus、直訳すると大量の人間の脱出[移住・移動]、集団脱出という意味になります。この小説は中学生が全国規模で学校をボイコットする事件から始まっていきます。
 ちょうど、インターネットが社会のインフラとして認知されはじめる時代を背景に、ネットワークを武器にして旧態依然とした権力に反乱を起こす、その過程で日本の社会に存在するいろんな矛盾があぶり出されていく中で、考えさせられることはたくさんありました。

 時代を覆う閉塞感をこれまでと全く違う価値観と迷いを持ちながら突っ走る中学生グループと、それを追う雑誌記者。自分が雑誌記者であるおとなの立場に差し掛かっていながら、実は私は急成長する会社の中で既成の価値観をぶっ壊すことを期待されている野武士集団の業務改革部隊を率いるマネジャーなのです。既成の価値観もある程度理解する立場と、それをぶっ壊す立場と、自分の視点をめまぐるしく変えながら、仕事に対するヒント、そして今年から中学生になる娘の父親としてのヒントをいっぱい吸収できた気がします。
 
 「この国には何でもある。だが、希望だけがない」

 中学生グループを率いるポンちゃんのこの言葉、おとなになることが素敵だというモデルを提示できない今のおとなには重い言葉だと思います。自分の娘たちには、私たち夫婦が素敵なおとなのモデルになれるように何をすべきか、それを考えさせられます。
 北海道人の立場から、野幌は「NOHORO」じゃなくて「NOPPORO」だよと突っ込みたくなりますが(爆)、野幌にそんな理想郷が出現するのを見たかった。それが実現せず、この小説ほど日本の社会もこの10年で急展開せず、問題を先送りしつつ、「ゆっくりと死んでいく」過程に入っているんじゃないか、という危惧を抱きつつ、それでも日本は経済大国であり続けなきゃいけない、という変なプライドを捨てて国民が安心して日本に住めるという状態であればそれでいいなと思うのですけど、どうも東京で感じる空気はそうじゃないですね(苦笑)。

 私は、例えば北海道で安心して住めるような状態を作るために何をすべきか、ということを考えれば、日本の社会ってがらっと変わると思うんですけど、きっとそんなことを考える人は日本人の中でも少数派なのかな、と東京と北海道を往復しながらその空気の違いを肌で感じて考えています。
 その答えを、いつか出せる日が来ることを願って。少なくとも、自分がそれを目指すことに何か力になれる日が来ることを願って。

「希望の国のエクソダス」amazonへのリンクはこちら  

Posted by ジアス at 23:59Comments(0)和書/フィクション

2007年04月20日

Holes「穴」~ルイス・サッカーの非凡な才能


 Louis Sachar(ルイス・サッカー)の全米350万部のベストセラーで、1999年度ニューベリー賞(アメリカの有名な児童文学賞です)受賞作のこの作品が、文庫になっているとはつい最近まで知りませんでした。
 たまたまふらっと立ち寄った札幌駅ビルの本屋で見つけ、一緒にいた小6の上の娘に「めっちゃ面白いけど、読む?」と聞いたら「読みたい!」というので買ってあげました。
 そしたら一気に読みきってしまい、それを見ていた小3の妹も読み出したので、彼女が読み終わった頃を見計らって映画のDVDを借りてきて家族で見たらもう大盛り上がりでした(^^)  続きを読む
Posted by ジアス at 00:40Comments(0)和書/フィクション

2006年01月08日

「野ブタ。をプロデュース」〜プロデュースという才能

野ブタ。をプロデュース.jpg

 昨年10月〜12月に日本テレビ系で亀梨和也と山下智久が主演だったドラマの原作なので、まだみなさん記憶に新しいでしょう。主題歌が彼らの修二と彰という役名で歌う「青春アミーゴ」も流行りましたね。うちの嫁さんと娘たちが毎週楽しみに見ていて、ちょうどその時間に私も帰ってきて食事することが多かったので、ドラマの内容もだいたい知っていました。
 プロデュースされる「野ブタ」はドラマでは堀北真希が演じる女の子でしたが、実は原作ではデブの男の子です。本名が小谷信太(しんた)だから「野ブタ」。ドラマは原作を下敷きに話をふくらませてヒットにつながったようです。

 この本はほぼ、「野ブタ」をプロデュースする主人公の桐谷修二の視点からの1人語りで語られています。当然ながら野ブタが男なら恋愛関係の話が出ることもなく、修二と野ブタとマリ子のほぼ3人だけを軸に(ちなみに彰も原作には登場しない)話はテンポよく展開していきます。彼にとって、毎日学校に通う「桐谷修二」というキャラクターも着ぐるみショーを演じる役者で、それをプロデュースするプロデューサーとしての彼自身の語り口になっています。  続きを読む
Posted by ジアス at 23:59Comments(0)和書/フィクション

2006年01月02日

「しろいやみのはてで」〜ことしが去年よりいい年でありますように

しろいやみのはてで.jpg

 みなさん、あけましておめでとうございます。
 BAR "Clock in a forest" も、開店して約半年が過ぎました。

 開店の頃のもくろみと違って、本の紹介が少なくて申し訳ないと思っています。
 今年は、もう少し本の紹介を増やせたらと思いますが、まあのんびりとやろうと思っています。よろしければ今年も、ちょっと余裕のある日にでもお立ち寄りいただければと思います。  続きを読む
Posted by ジアス at 21:12Comments(0)和書/フィクション

2005年12月28日

「あらしのよるに」〜ありえない友情が成立したとき、何が起こるか?

あらしのよるに.jpg

 今、劇場公開中の映画「あらしのよるに」の原作です。おおかみのガブとやぎのメイがあらしのよるに雷から逃げた真っ暗な小屋で出会ってから育まれた不思議な友情をめぐる物語です。
 おおかみにとって、やぎはいちばんのごちそう。やぎにとって、おおかみは命を狙う天敵。ごちそうなのにともだちで、なかよしなのにおいしそう。絶対にあり得ない設定ですが、物語の展開が巧みでついつい引き込まれてしまいます。  続きを読む
Posted by ジアス at 23:47Comments(2)和書/フィクション

2005年07月08日

Momo「モモ」〜まずは時間の話から

モモ.jpg

 まずはBARの名前にちなんで、時間の話からしてみましょうか。
十数年ぶりに、「モモ」を本棚から引っぱり出して読んでみました。
ドイツの児童文学作家、Michael Ende(ミヒャエル・エンデ)の代表作です。
 邦訳(ハードカバー版)の副題には、「時間どろぼうと ぬすまれた時間を人間にとりかえしてくれた女の子のふしぎな物語」というタイトルがついています。

 時間は誰にでも平等にある、とよく言われます。が、それは本当でしょうか?  続きを読む
Posted by ジアス at 13:59Comments(2)和書/フィクション