2012年01月29日
ちっちの物語その46~救急車
元旦の夜になりました。
昼前にお雑煮を食べていましたが、おせちにはまだ手をつけていませんでした。
ちっちは食欲がないようでしたが、「おせちは気分が良くなったら食べられるように少し残しておいてくれればいいから、みんなでおせちを食べて。パパもママもお酒も飲んで。」と言ってくれました。
わが家ではお正月にお酒を飲んで買い物にいかなくても大丈夫なように、2~3日分もつようにおせちを作りますから、今夜で食べきれるような量ではありませんし、妻も昨夜はほとんど寝ていませんでしたからあまり食欲も無いようでしたが、それでもみんなで、いつもの年と少しでも同じようにお正月を祝いたいという気持ちがあったので、おせちを出して19時頃から食べ始めました。
わが家のリビングは食事をする大きな座卓が、11月に買ったばかりの液晶テレビの前に置かれていて、その後ろにソファが1つ置いてあります。ちっちは今日はずっとそのソファに座っていて、いまも食事をしている私たちのすぐそばで一緒に過ごしていました。
ところが、ちっちが顔を少しゆがめて、「なんかいつもと違う。病院に行くので救急車を呼んで。」と言いました。急に苦しがりだしたり取り乱しだしたというわけではないのですが、なによりもあれだけ病院嫌いのちっちが、そして今日が元旦だということもわかっている上でそのようなことを言うのは、ただごとでないということを私たちは悟りました。
私たちはすぐに救急車を呼び、電話でちっちの余命がわずかであること、搬送先がB病院がいつでも受け入れてくれるようにすでに話がついていること、そして元旦の夜に大騒ぎにならないように、サイレンを鳴らさずにわが家の前まで来てほしいことを伝えました。
ほどなく救急車は静かにわが家の前に止まり、救急隊の方々が担架を持ってリビングに入ってきました。
大好きなわが家を出ていくちっちが、もう一度ここに戻ってくることはないかも知れないと思うと胸が張り裂けそうでしたが、そんなちっちに、ちっちの姉が「大好きだよ!」と優しく声をかけていたのが、とても心に残っています。
救急隊の方々は手際よくちっちと、付き添いの妻を救急車に乗せて、20時頃にわが家の前を静かに離れていきました。この時もちっちは意識がとてもはっきりしていて、脇を抱えられると痛いので腰のところを持ってほしいなどと、自分の意思をしっかりと救急隊の人に伝えていました。
2人が去ったリビングには少し手をつけたおせちが残っていましたが、それ以上食べる気にはなれず、とりあえず片付けてから後を追って病院に行こうと思いました。いつもならクルマでB病院に向かいますが、少しお酒を飲んでしまったので、タクシーを呼ぶことにして、ちっちの姉に「病院に行くけど深夜には帰ってくるから、申し訳ないけど少し留守番をしてて。」と言いました。
まだ何日間か病院に泊り込むことを覚悟して、再入院のためにずっと準備ていた荷物を持って妻は救急車に乗りましたが、とりあえず病院に行ってから明日以降のことを相談しようと思っていたからです。
そこに、妻から私の携帯に電話がありました。
昼前にお雑煮を食べていましたが、おせちにはまだ手をつけていませんでした。
ちっちは食欲がないようでしたが、「おせちは気分が良くなったら食べられるように少し残しておいてくれればいいから、みんなでおせちを食べて。パパもママもお酒も飲んで。」と言ってくれました。
わが家ではお正月にお酒を飲んで買い物にいかなくても大丈夫なように、2~3日分もつようにおせちを作りますから、今夜で食べきれるような量ではありませんし、妻も昨夜はほとんど寝ていませんでしたからあまり食欲も無いようでしたが、それでもみんなで、いつもの年と少しでも同じようにお正月を祝いたいという気持ちがあったので、おせちを出して19時頃から食べ始めました。
わが家のリビングは食事をする大きな座卓が、11月に買ったばかりの液晶テレビの前に置かれていて、その後ろにソファが1つ置いてあります。ちっちは今日はずっとそのソファに座っていて、いまも食事をしている私たちのすぐそばで一緒に過ごしていました。
ところが、ちっちが顔を少しゆがめて、「なんかいつもと違う。病院に行くので救急車を呼んで。」と言いました。急に苦しがりだしたり取り乱しだしたというわけではないのですが、なによりもあれだけ病院嫌いのちっちが、そして今日が元旦だということもわかっている上でそのようなことを言うのは、ただごとでないということを私たちは悟りました。
私たちはすぐに救急車を呼び、電話でちっちの余命がわずかであること、搬送先がB病院がいつでも受け入れてくれるようにすでに話がついていること、そして元旦の夜に大騒ぎにならないように、サイレンを鳴らさずにわが家の前まで来てほしいことを伝えました。
ほどなく救急車は静かにわが家の前に止まり、救急隊の方々が担架を持ってリビングに入ってきました。
大好きなわが家を出ていくちっちが、もう一度ここに戻ってくることはないかも知れないと思うと胸が張り裂けそうでしたが、そんなちっちに、ちっちの姉が「大好きだよ!」と優しく声をかけていたのが、とても心に残っています。
救急隊の方々は手際よくちっちと、付き添いの妻を救急車に乗せて、20時頃にわが家の前を静かに離れていきました。この時もちっちは意識がとてもはっきりしていて、脇を抱えられると痛いので腰のところを持ってほしいなどと、自分の意思をしっかりと救急隊の人に伝えていました。
2人が去ったリビングには少し手をつけたおせちが残っていましたが、それ以上食べる気にはなれず、とりあえず片付けてから後を追って病院に行こうと思いました。いつもならクルマでB病院に向かいますが、少しお酒を飲んでしまったので、タクシーを呼ぶことにして、ちっちの姉に「病院に行くけど深夜には帰ってくるから、申し訳ないけど少し留守番をしてて。」と言いました。
まだ何日間か病院に泊り込むことを覚悟して、再入院のためにずっと準備ていた荷物を持って妻は救急車に乗りましたが、とりあえず病院に行ってから明日以降のことを相談しようと思っていたからです。
そこに、妻から私の携帯に電話がありました。
ちっちの物語その55(最終回)~区切り
ちっちの物語その54~輝く雪
ちっちの物語その53~ちっちはこの小学校のこの学年を選んだ
ちっちの物語その52~紫色の袴
ちっちの物語その51~悲しい知らせ
ちっちの物語その50~帰宅
ちっちの物語その54~輝く雪
ちっちの物語その53~ちっちはこの小学校のこの学年を選んだ
ちっちの物語その52~紫色の袴
ちっちの物語その51~悲しい知らせ
ちっちの物語その50~帰宅
Posted by ジアス at 13:51│Comments(0)
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