2011年10月15日
ちっちの物語その31~食生活を変えること
健康家族モードに入ったのはもう1つ伏線があって、やはりこの頃、藁にもすがる思いだった私達夫婦は、ネットで見つけたとある治療院を訪ねていたのでした。
その治療院のウェブサイトには、西洋医学的な治療で他に手立てがないと言われた方でもまだ治る道がある、ということが書かれていました。要は、食事療法や、びわの葉温灸などの自然療法で身体が本来持っている自然治癒力を高めてがんを治す、ということです。
腫瘍の転移や進行を、抗がん剤や放射線で止めるということができなくなった今、このような自然療法でも一縷の望みがあるのであればと思い、この治療院に電話してみました。そうすると、まず一度親御さんだけでも来院してご相談しましょう、ということになり、私達夫婦はこの治療院を訪ねたのです。
治療院は街の中のビルの1階にあり、入り口には自然食のカフェの看板が出ていました。その奥が治療院になっているようで、やせ気味で作務衣を着た、いかにも玄米菜食をやっていそうな風貌の男性が迎えてくれました。
約束の時間より少し早く着いたので、前の治療が終わるまでの間少し待つことになりました。自然療法や玄米菜食の本をぱらぱらとめくりながら待つことしばし、先ほどの男性が現れました。
彼は、毎日の食事から様々な毒素を取り込んでいるので、治療と並行して食事を改める必要があるということを力説されました。それは確かに一理あると考えていましたので、私たちも少々大変になるけれど、ちっちのためなら食事を改めることも考えて話を聞いていました。
その話の流れの中で、彼が、
「小学生のお子さんなら学校給食があると思いますが、あれが良い食生活の大きな邪魔です。それもできれば避けてください。」と非常に苦々しげな顔をして言ったのです。
そこで私の意識がはっと覚めました。
長い入院生活を過ごしたちっちにとっては、毎日学校に行ってみんなと同じ時間を過ごすことが一番大事な心の支えになっていて、それは給食の時間も含めてではないかと思ったのです。ちっちにいつもと同じ生活をさせてあげたいと考えている以上、家での食事を少しでも身体にいいものにすることはちっちが納得しても、きっと給食の代わりに玄米菜食の弁当を持っていくのは嫌がるだろうと思いました。きっと、そうすることを強いると、もっと大事なものを失くすような気がする、直感的にそう思ったのですが、どうやら妻も同じように思ったようでした。
とりあえず、がんに効くといわれるびわの葉のお茶(北海道ではびわが生えないのでびわの葉自体手に入らないのです)と、風呂に入れるびわの葉だけを買って、治療院を後にしました。
帰りのクルマの中で、妻と話したことは、「今のちっちの心の支えになっていることを否定することはできない。少なくとも家で私たちがちっちに何をしてあげられるか、家の食事だけでも考えてみよう。」ということでした。
ただ、前回書いた、ちっちの姉の「健康家族」発言もありましたが、やはり、食事を作る妻にとっても大きな負担になり、結局は長続きすることはありませんでした。そして、私も、それを責めることはできませんでした。
そういう意味では、いま、放射線で汚染された食べ物を子供に食べさせまいと努力されている方々のストレスは本当に大変だと思います。何を信じればよいのか、いつまでそれを続ければいいのか、とんでもない不安と戦いながら日々の食事を作っている方々の努力には本当に頭が下がります。
その治療院のウェブサイトには、西洋医学的な治療で他に手立てがないと言われた方でもまだ治る道がある、ということが書かれていました。要は、食事療法や、びわの葉温灸などの自然療法で身体が本来持っている自然治癒力を高めてがんを治す、ということです。
腫瘍の転移や進行を、抗がん剤や放射線で止めるということができなくなった今、このような自然療法でも一縷の望みがあるのであればと思い、この治療院に電話してみました。そうすると、まず一度親御さんだけでも来院してご相談しましょう、ということになり、私達夫婦はこの治療院を訪ねたのです。
治療院は街の中のビルの1階にあり、入り口には自然食のカフェの看板が出ていました。その奥が治療院になっているようで、やせ気味で作務衣を着た、いかにも玄米菜食をやっていそうな風貌の男性が迎えてくれました。
約束の時間より少し早く着いたので、前の治療が終わるまでの間少し待つことになりました。自然療法や玄米菜食の本をぱらぱらとめくりながら待つことしばし、先ほどの男性が現れました。
彼は、毎日の食事から様々な毒素を取り込んでいるので、治療と並行して食事を改める必要があるということを力説されました。それは確かに一理あると考えていましたので、私たちも少々大変になるけれど、ちっちのためなら食事を改めることも考えて話を聞いていました。
その話の流れの中で、彼が、
「小学生のお子さんなら学校給食があると思いますが、あれが良い食生活の大きな邪魔です。それもできれば避けてください。」と非常に苦々しげな顔をして言ったのです。
そこで私の意識がはっと覚めました。
長い入院生活を過ごしたちっちにとっては、毎日学校に行ってみんなと同じ時間を過ごすことが一番大事な心の支えになっていて、それは給食の時間も含めてではないかと思ったのです。ちっちにいつもと同じ生活をさせてあげたいと考えている以上、家での食事を少しでも身体にいいものにすることはちっちが納得しても、きっと給食の代わりに玄米菜食の弁当を持っていくのは嫌がるだろうと思いました。きっと、そうすることを強いると、もっと大事なものを失くすような気がする、直感的にそう思ったのですが、どうやら妻も同じように思ったようでした。
とりあえず、がんに効くといわれるびわの葉のお茶(北海道ではびわが生えないのでびわの葉自体手に入らないのです)と、風呂に入れるびわの葉だけを買って、治療院を後にしました。
帰りのクルマの中で、妻と話したことは、「今のちっちの心の支えになっていることを否定することはできない。少なくとも家で私たちがちっちに何をしてあげられるか、家の食事だけでも考えてみよう。」ということでした。
ただ、前回書いた、ちっちの姉の「健康家族」発言もありましたが、やはり、食事を作る妻にとっても大きな負担になり、結局は長続きすることはありませんでした。そして、私も、それを責めることはできませんでした。
そういう意味では、いま、放射線で汚染された食べ物を子供に食べさせまいと努力されている方々のストレスは本当に大変だと思います。何を信じればよいのか、いつまでそれを続ければいいのか、とんでもない不安と戦いながら日々の食事を作っている方々の努力には本当に頭が下がります。
ちっちの物語その55(最終回)~区切り
ちっちの物語その54~輝く雪
ちっちの物語その53~ちっちはこの小学校のこの学年を選んだ
ちっちの物語その52~紫色の袴
ちっちの物語その51~悲しい知らせ
ちっちの物語その50~帰宅
ちっちの物語その54~輝く雪
ちっちの物語その53~ちっちはこの小学校のこの学年を選んだ
ちっちの物語その52~紫色の袴
ちっちの物語その51~悲しい知らせ
ちっちの物語その50~帰宅
Posted by ジアス at 16:38│Comments(0)
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